高校生の頃(ということは、1980年代初頭だ)、原島鮮(はらしま・あきら) という先生が著された物理の参考書を読んだ記憶がある。確かムツゴロウ(畑 正憲)さんも「原島先生の参考書で物理を勉強した」とどこかに書いていたと 思う。ムツゴロウさんは1935年生まれだから、原島先生の本は随分と以前から あったようだ。今でも、裳華房(出版社)から何冊も原島本が出ているから、ロ ングセラーというか古典というか、とても息が長い本なんですね。
原島先生の本は、説明が丁寧で、教育的配慮が行き届いた優れた書籍だ。と はいっても、今となっては全体的な印象しか残ってないのだが、そのなかでハッ キリと憶えていることは、巻頭にギリシャ文字の一覧表があったことだ。本文 中で、「ν」や「φ」が使われているのだが、この一覧表があったので読み方 などに迷うことはなかった。
それで、物理の教科書/参考書にギリシャ文字一覧表を載せる伝統ができた、っ てわけではないだろうが、物理学者の新井朝雄さんなどは、けっこう専門的な 本(例:『フォック空間と量子場』上下二分冊(2000, 日本評論社))にもギ リシャ文字一覧表を載せている。
HTML文書だとあまり書体が使えないという事情で、僕の記事ではギリシャ文 字を多用している。物理の先生がたに倣い、ギリシャ文字一覧表を提示してお きましょう。
A、α | アルファ | N、ν | ニュー |
B、β | ベータ | Ξ、ξ | グザイ (クシー、クサイ) |
Γ、γ | ガンマ | O、ο | オミクロン |
Δ、δ | デルタ | Π、π | パイ |
E、ε | イプシロン | P、ρ | ロー |
Z、ζ | ゼータ | Σ、σ | シグマ |
H、η | イータ(エータ) | T、τ | タウ |
Θ、θ | シータ(テータ) | Υ、υ | ウプシロン(ユプシロン) |
I、i | イオタ | Φ、φ | ファイ |
K、κ | カッパ | X、χ | カイ |
Λ、λ | ラムダ | Ψ、ψ | プサイ |
M、μ | ミュー | Ω、ω | オメガ |