主要な話題

檜山正幸 (HIYAMA Masayuki)
Sat Jan 08 2005:start
Sat Jan 08 2005:draft

このサイトの主要な話題はXMLである。関係ない話題も含まれるように思われ るかもしれないが、そうではない。少数の例外を除いて、このサイトに含まれ る文書(「記事」と呼ぶ)はすべて関連しているのである。そして、全体と してある特定の目的に向かって書き進められる予定である。その特定の目的と は、XML技術の一部を再構成することである。

僕(檜山)は、XML1.*(名前空間も含める)とDOMの2つが最も重要なXML仕様 だと思っている(もちろん、それは僕の立場からの重要性だが)。XML1.*が XMLタグ構文を与えており、DOMはXMLデータをプログラムから扱うときのデー タ構造と操作群を定義している。これらはそれぞれ、XMLの“構文的な側面” と“ソフトウェア的な側面”と言っていいだろう。このサイトでは、XML1.*と DOMが提示している概念、すなわちXMLの構文的/ソフトウェア的な定義の、精 密化と高度化を試みる。

現状のXML1.*とDOMに対して、僕が感じる不満は、モジュール化 (modularization)がうまくいかないことと、対話的な環境に適合しにくいこ とである。これらは、切実で深刻な問題点だ。また、構文的な議論とソフトウェ ア的な議論がうまく噛み合ってない感じもする。この「構文とソフトウェアの 乖離」が、実は現実的な諸問題の淵源となっているのではないだろうか。

そこで、構文の議論とソフトウェアの議論を密着させて、かつ並行的に展開 したい。そのためには、構文とソフトウェアを統一するような枠組みが必要で ある。この枠組みを、「Chimaira(キマイラ) 文書/コンポネント アーキテ クチャ」と呼びたい。これは、構文的な観点からは文書アーキテクチャであり、 ソフトウェア的な観点からはコンポネント・アーキテクチャになる。このサイ トのドメイン名chimaira.orgは、このChimairaアーキテクチャに由来する (*注1)

注1

言っておきますが、ドメイン名が先にあったわけじゃないよ。とはいえ実は、 最初はChimera(キメラ)だったのだけど、ドメイン名が取れないので Chimairaに改名したって事情はありますけど(苦笑)。

言葉を換えて言えば、このサイトはChimairaアーキテクチャのサイトである。 そして、Chimairaアーキテクチャは、XML技術の一部に対する再構成の試みで あり、構文とソフトウェアに統合的な枠組みを与えるものである。